コラム

19893

’89生活闘争総決起集会、「春闘」から「総合生活改善の取り組み」へ

1989生活闘争総決起集会
1989生活闘争総決起集会

日本の賃金水準は名目上世界のトップレベルに達したが、勤労者世帯の生活は「豊かさ」や「ゆとり」とは程遠い状況にあった。こうした状況を改善するため、これまでの賃金・一時金など経済的な向上を目指す運動に偏っている活動から、「ゆとりの創造」を軸に組合員が自らの人生に夢を持ち、生きがいを感じ、主体的に生きていくための活動へと転換していくことが求められていた。このような主張を明確に打ち出すため、従来の「春闘」という名称も「総合生活改善の取り組み(略称:生活闘争)」へと改められた。
1989生活闘争では、賃金引き上げの取り組み、所定労働時間の短縮、政策制度改善の三位一体の活動を展開。時短では、先行組合(所定労働時間1984時間)を含む66組合で、休日3日増の会社回答を引き出し、長年の懸案であった所定労働時間1960時間に決着をつけることとなった。